3ヶ月を超えた相続放棄の相談事例

依頼前の事実関係

母が1年前に亡くなりました。父とは母が父と離婚してから15年以上会っていません。相続人は父と私と弟の3人です。母にはこれといって資産も借金もない(と思っていた)。
母の葬儀から1年たったある日、債権回収会社から私宛に突然、通知書が届いた。
内容は、父が事業のために融資を受けていた借金の支払が滞っていて、連帯保証人に亡母がなっていたので、その連帯保証債務を相続人である私たちに支払えというものであった。
借金の額はおよそ4000万円。
相続放棄という手続きも考えたが、母が亡くなった時に、葬式も私が喪主をしていたので、『亡くなったことを知らないとはいえない』と他の専門家に相続放棄の期限の3ヶ月を過ぎてしまっているので、相続放棄は無理だと言われた。
請求通り支払っていかなくてはならないだろうか?

問題点

• 亡母の連帯保証債務を相続人らが支払わなければならなくなる。
支払えないのなら、自己破産申立をする必要が出てきた。
• 相続放棄で処理をするのであれば、被相続人が亡くなったことを知ってから3か月以内に家庭裁判所に申述しないといけない。
今回、亡くなったことを知ってから3か月以上が経っているが、現在でも相続放棄の手続きがとれるのか?

提案

確かにお母さんが亡くなったことを知った日からは、1年経過しているので相続放棄は難しいと思われるが、
1. 亡くなった時には、父の連帯保証人に母親がなっているとは思わなかった。
2. 亡母に「連帯保証債務」があった事を知ったのは、債権回収会社から通知書が届いた日であるので、届いた日から3か月以内に相続放棄の手続きをする。

実行&結果

提案通りに、家庭裁判所に上記の論点での申述書を作成し、家庭裁判所からの照会書(質問書)のやり取りをして、無事に受理されました。
そして、それを債権者である債権回収会社へ送付するところまでお手伝いいたしました。
この結果、自己破産することもなく、4000万円の借金も放棄することができました。

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